泌尿器

泌尿器科の診療について

診察泌尿器科では、腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿路全体を診療しています。女性、男性、子どもの診療では、それぞれよくある泌尿器疾患が違います。たとえば女性の患者さんでは膀胱炎がかなりの割合を占めますし、男性では前立腺などをはじめとした生殖器に関する問題が多い傾向があり、子どもに関しては夜尿症などがあります。
泌尿器に関するお悩みはデリケートな問題でもありますから、当院ではカウンセリングを重視して、患者さまのお考えやお気持ちに寄り添った診療を心がけています。専門医として長く泌尿器科の診療を行ってきておりますので、どんなお悩みでもお気軽にご相談ください。

代表的な泌尿器科領域の疾患

尿や排泄に関する疾患

尿路感染症

トイレ尿は腎臓から尿管を経由して膀胱に運ばれ、尿道を通って排出されます。腎臓から尿道までの経路を「尿路」と呼びます。尿路感染症は、尿路が細菌感染を起こして炎症をきたした状態で、感染した場所が膀胱の場合には膀胱炎、腎盂(じんう)に感染すると腎盂腎炎となります。
治療には抗菌剤が用いられ、症状は3日程度で改善します。ただし、ここで薬を飲むのを止めてしまうと治りきらず、再発や、菌が薬に耐性を持って治りにくい状態になる可能性があります。出された薬は、指示された期間中は必ず飲むようにして下さい。

尿路結石

腎臓で作られた結石が尿路に運ばれると、尿路はとても細いため閉塞を起こし、尿路結石を発症します。急な激痛が起こるケースが多く、吐き気や嘔吐などの症状が伴う場合もあります。強い痛みがあるため、結石の診断がついたらまず痛みを抑える治療を行い、それから結石の大きさや位置を確認します。小さな結石の場合には自然排石を待ちますが、自然排石が難しい場合には体外衝撃波結石破砕手術(ESWL)やレーザー砕石器などを用いた内視鏡手術を検討します。痛みがなくなっても、結石が身体の中に残っていると、腎機能が低下してしまうことがありますので、最後まで結石が出たか確認することが大切です。

血尿・尿潜血

尿に血液が混じっている状態で、尿路に異常が起きていることが主な原因です。
過労などによって起こる一過性のものの場合は特に心配ありませんが、重大な疾患の症状として現れる場合もありますので、健康診断などで尿潜血を指摘されたら、早めに泌尿器科を受診してください。

たんぱく尿

尿中のたんぱく質の量が多い状態で、腎臓に障害が起こっています。急性腎炎や慢性腎炎など腎臓自体の疾患である場合と、糖尿病や膠原病、高血圧といった全身に起こる疾患により腎臓に障害が起きている場合があります。どういった障害によって起こっているのかを正確に見極めることで、適切な治療が可能になります。

神経因性膀胱

尿の排泄は、脳からの指令を神経が伝えて、膀胱と尿道がうまく連携しながら運動する必要があります。ケガ、脳梗塞、パーキンソン病、子宮がんや直腸がん手術の後遺症といった原因で、尿を排出するために働く神経にトラブルが起こると、排尿に問題が起こります。こうした状態は、神経因性膀胱と呼ばれています。尿路感染症や腎機能障害などにつながるリスクが高いため、注意が必要です。

腎臓に関する疾患

糖尿病性腎症

腎臓は血液を糸球体(しきゅうたい)で濾過し、老廃物などを尿として尿管に送る役割を担っています。糖尿病性腎症は、この糸球体にある毛細血管が過剰な糖によってダメージを受け、徐々に尿が作れなくなっていく疾患です。悪化すると機械に血液を通して不要な成分を濾過する人工透析を週に2~3回、病院などで受ける必要が出てきます。現在、人工透析を受ける原因の疾患として、糖尿病性腎症が第1位になっており、日常生活に大きな支障が出てくるため注意が必要です。

慢性腎臓病

腎臓に起こる慢性的な病気の総称で、20歳以上の成人の8人に1人がかかっているとされているほどよくある病気です。腎臓は体内から有害なものや不要な水分を排除して正常な状態に保つ重要な役割を持っているので、その機能の低下はさまざまなリスクとなって現れてきます。高血圧や糖尿病などの生活習慣病やメタボリックシンドロームとも深い関連を指摘されており、1,330万人もの患者がいると考えられていることから、国民病として認識されるようになってきています。

腎結石(腎臓結石)

腎臓内に生じた結石です。腎杯(じんぱい)結石や腎盂結石など、できる場所によって呼び名があります。サンゴ状結石は腎結石が大きくなったものを指します。結石が腎臓内にとどまっている間は痛みなどの症状をほとんど起こすことはありませんが、尿管に移動してしまうと激しい痛みや吐き気、嘔吐などを引き起こします。腎臓内の結石の存在を調べるためには、尿検査、腹部X線撮影、超音波検査などを行います。

腫瘍など

精巣腫瘍

10万人に1人の割合でかかる比較的まれながんであり、発症のピークが20歳代後半から30歳代にかけてと若年層に多いという特徴があります。白血病などの血液腫瘍以外の腫瘍では、20歳代から30歳代の男性で最もかかる数が多い固形腫瘍になっています。進行が早く転移しやすいため、精巣腫瘍のある精巣を手術で摘出し、顕微鏡で組織検査を行って治療方針を立てていきます。
初期症状に片側の精巣の腫れや硬さの変化がありますが、痛みや発熱などがほとんど起こらないため進行するまで気付かないケースが多く、比較的短期間に転移を起こすためその症状で精巣腫瘍が発見されることもあります。

膀胱がん

尿路に発生するがんの中で、膀胱がんは約半数を占めており、死亡率も7割以上と最も高くなっています。ただし、膀胱鏡検査や尿細胞診など泌尿器科の専門的な検査を行えば、診断しやすいがんです。外科的な治療では、膀胱鏡を使ってがんを電気メスにより切除する経尿道的膀胱腫瘍切除術と、膀胱全摘除術があります。

腎臓がん

初期にはほとんど症状がなく、がんが直径5cmを超えたあたりで自覚症状が現れはじめます。腹部の疼痛や血尿、腹部のしこりが代表的な症状です。
現在では精度の高い超音波検査やCT検査などが可能であることから、1cm程度の小さながんを発見することも可能になっています。他に、尿検査やMRI、血管造影検査、腎盂尿管鏡による検査なども行われます。
治療は、外科療法の他に、腎動脈塞栓術、免疫療法、化学療法・放射線療法などがあり、症状や進行の程度、体調などを考慮しながら患者さまとご相談し、最適な治療方針を決めていきます。

その他の疾患

性感染症

パートナー性行為によって人から人に感染する病気の総称であり、淋病、クラミジア感染症(非淋菌性尿道炎)、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、カンジダによる包皮炎、毛ジラミ症、エイズなどがあります。ここ数年、梅毒の患者数が増え続けていることもニュースなどで取り上げられています。
近年では、性風俗店などを介した感染より、不特定のパートナーによる感染が増えてきており、性感染症が一般の方に広がっていると指摘されています。
性感染症の治療は、ご本人だけでなく、パートナーも必要です。性感染症の症状は、喉の痛みなどで現れる場合もありますし、男性にはほとんど症状が起きないもの、女性にはほとんど症状が現れないものがあるため、症状がある場合やパートナーが性感染症になった場合には、早急に泌尿器科を受診して適切な治療をしっかり受けてください。

ED

ED(ErectileDysfunction)は、勃起不全または勃起障害のことであり、完全に勃起できないことだけでなく、勃起に時間がかかる・途中で萎えてしまう・満足のいく性行為ができないという症状も含みます。成人男性の4人に1人、50代以上の男性では2人に1人がEDだとされており、若い世代でもストレスなどによるEDは珍しくありません。治療ができる疾患ですし、効果のある薬が何種類かありますので、気兼ねなくご相談ください。

Tel.047-306-7878ご予約サイト
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